これから家を建てようと考えている方や、実際に建築会社と打合せ中の方に向けて、わたし自身の勤務経験を交えながら、どのような建築会社があるのか、またそれぞれの特徴や違いをわかりやすくお話しできればと思います。

 

建築会社とひとまとめに言っても、さまざまな会社があります。

 

今回は、建築会社をその業態ごとに分けることで、建築会社選びの参考にして頂ければと思います。

 

建築会社の業態は大きくわけると5種類

さまざまな建築会社がありますが、そのほとんどが5種類にわけることができます。まずは、その5種類を知ることからはじめましょう。

 

・建築家

・設計事務所

・工務店

・ハウスメーカー

・リノベーション・リフォーム専門店

 

これから、それぞれの特性を説明していきます。

 

1.建築家

建築家とは、一般的に建築における建物の設計や工事の監理などを職業とする専門家です。作家としての側面が強い傾向があり、施工については複数の工務店から建築家と一緒に選ぶことが多いです。

建築家ごとに作風がありますので、好きな建築家を探して依頼することがおすすめです。

注意点としては、作品への想いが強いため、場合によっては施主と意見が対立してしまうことや、住宅ローンなどの資金計画は対応していなかったりすることがあげられます。

また、設計費と施工費の両方が発生します。

施工費が高騰している昨今、工務店との金額調整がなかなかつかず、金額調整期間が長くなることもあります。

設計費用は、建築家によって異なりますが施工費の10%〜20%程度が目安です。

 

2.設計事務所

建築の計画立案・設計・設計監理・工事監理をする事務所のことです。

建築家が設計事務所を率いている場合と、複数の設計士が在籍している設計事務所の2種類があります。

建築家については上記に記載していますので、複数の設計士が在籍している設計事務所についてお話しします。

施主の意向をカタチにしていくことを重視しながら、デザイン性の高さを売りにしている事務所が多いように感じます。

自分たちの想いをカタチにしたい方や、デザイン性の高い建物を希望される方におすすめではないでしょうか。

建築家に比べると住宅ローンなどの資金計画までを業務としている事務所が多いように感じすが、複数の建築士が在籍しているので、担当する建築士との相性が重要になってきます。

施工については建築家と同じく、工務店に依頼するスタイルです。

建築家の場合と同じく、設計費と施工費の両方が発生することや、施工費が高騰している昨今、工務店との金額調整がなかなかつかず、金額調整期間が長くなることなどに注意が必要です。

設計費用は、事務所によって異なりますが施工費の10%〜20%程度が目安です。

 

3.工務店

主に戸建て住宅等を請け負う地場産業の建設業者のことを伝統的に工務店と呼んでいます。工務店は個人やメーカー等から戸建て住宅を請負い、専門業者の手配、管理その他工事全体を管理する役割を担います。

社員は現場監督のみの工務店がほとんどで、その他の職人や職方、具体的には大工、塗装、板金、左官、基礎、設備などは協力業者と呼ばれる別の会社へ発注しています。

近年では設計士が常駐し、設計も自社で行う工務店が増えています。

注文住宅をうたっている工務店では、ある程度要望を伝えることができながら、建築家や設計事務所に依頼する場合に比べ、設計費用を省くことでコストを抑えることが可能になるケースがあります。

ただ、設計事務所に比べ、社内での設計士の立場が、工務より弱い場合が多く、デザイン性の高さより、施工面を優先する傾向にあります。

また、「注文住宅」については、少し注意が必要なシステムだと感じています。

以下、住宅専門誌からの引用のため、少し厳しい表現ですが、これが理由で家づくりに失敗してしまう方が多くいることも事実ですので、気をつけてもらえればと思います。

‘‘基本的には素人である住み手が経験の乏しい中であれこれ注文する「注文住宅」というのは微妙なシステムであり、結果的に満足できない場合もあり注意が必要です。’’

 

4.ハウスメーカーとは

日本国内全域、または広範囲の規模で展開する住宅建設会社に対する呼称ですが、正式な定義はありません。誕生の背景は、戦後の高度経済成長期の自動車産業、家庭電化産業と共に工業化住宅産業が発展したものであり、ハウスメーカーの住宅は工業化住宅といえます

規格化されているため、耐震や断熱等の品質確保に優れいています。

会社規模も大きく、安心を買いたいという方におすすめです。

注意点は、注文住宅とうたいながら実は工業化住宅というところだと思います。

規格化された工業化住宅なので、オーダー対応できないことが多く、こだわりが強かったり、オーダーメイドの家づくりを考えている方には向いていません。また、コマーシャルや住宅展示場など広告宣伝費や会社の維持費が高いため、住宅のコストも工務店に比べると高めになります。

 

5.リノベーション・リフォーム会社

最近増えてきたリノベーションやリフォームを専門にしている会社です。

リフォームの規模によっては難しい手続きが不要だったり、建築士事務所登録、建設業許可などの許認可なしに営業できるため、異業種からの参入や下請け専門業者が新たに会社を設立しているケースなどが多いように感じます。

設立の背景から、デザインへのこだわりや、低コストなどがメリットとなる反面、リノベーションなどの大規模な工事に関しては、会社の力量オーバーになっていないかを確認しておいた方が良いと思います。

 

6.まとめ

建築会社それぞれのメリット、デメリットを理解したうえで、まずは、自分に合った業態を選んで、その中から自分に合った建築会社を選んでもらえれば、わかりやすいかなと思います。

 

わたしは、それぞれの業態の良いとこどりをした建築会社をつくりたいと思っていますので、建築家であるわたしが、設計事務所と工務店を一体化した建築会社を経営するスタイルで家づくりをしています。

建築家としての想いと、設計事務所の設計力を持ちながら、工務店としての施工力とコストパフォーマンスを実現していけるように日々、仕事をしています。